"ごいちの仕送り"たのんでみたレポ 〜父の日編〜


息子から父へ、言葉にならない思いを込めて

博紀 27歳(息子) 恵三 60歳(父)の場合

 

父親とまともに会話したのは、いつが最後だっただろう。

 

お互い仕事から家に帰っても、「おう」と目線を交わすくらいで、日々の出来事を共有するようなこともほとんどなかったように思う。

 自分の他に3人いる兄弟たちは、みな実家を離れて暮らしている。

それぞれ帰ってきたときは晩酌がてら近況報告をしたり、親と過ごす時間を大切にしているようだ。

 

自分だけが両親と一緒に暮らしているけれど

だからこそ、なかなか折り入って話す時間を作ることができないでいる。

 

もやもやとした気持ちを抱えて過ごしていたある日、母がふと言った。

 

「お父さん、来月で定年だからね」

 

ガーンと頭を打たれた気分だった。

全くそんな気がしていなかったけど、そうか、もうそんな歳か。

 

65歳までは再雇用の形で今より少し荷を下ろした感じの仕事をするようだが、それでも40年以上続けてきた仕事だ。

一つの区切りを迎えることに、きっと万感の思いがあるはずだ。

 

調べてみると、退職の日付は父の日の前の金曜日。

このご時世では会社の仲間との飲み会もできず

リモートワーク中心の父はお世話になった人たちへの挨拶をメールだけで済ませてしまうそうだ。

 

この機会に、何か気の利いたことをしてやるか。





ネットで何かプレゼントでも買おうとあれこれ探してみるも、何が喜ぶか検討もつかない。

 

「せっかくなら旅行がてら俺のおすすめの店に飲みに行きたかったけど、今は難しいよな...」

 

頭を抱えながら“おすすめの店”のSNSを覗いてみると、見慣れない段ボールの写真がアップされていた。

 

「『ごいちの仕送り』...父の日の詰め合わせ?」 

 

公式サイトを覗いたところ、ちょっと変わったお取り寄せみたいなものらしい。

 

っていうか......この焼豚とカレー、めちゃくちゃ美味そう!!!!

 「あくび」の哲さんが作った料理が家で食べられるなんて最高じゃん。

 

“おすすめの店の味” を自宅で

“おすすめの店”というのは、以前彼女と行った那須旅行で出会った

酒と肴 あくび」。

 

 

 

この店では、自然米(農薬・化学肥料を一切使わず栽培した酒米)を100%使用した「自然酒」に

大将の立石哲也さんが手間暇をかけて作り上げる、とんでもなく美味しい料理を味わえる。

 

 

とにかく大将の料理は魚も肉も、どれも絶品なんだ。

あの味が家に届くのかと思うと、自然とテンションが上がってしまう。

詰め合わせにはビールも自然酒も入ってるみたいだし

普段ビール派の父にこの機会に自然酒の美味しさを知ってもらうのも良いだろう。

 

「決めた」

 

高揚した気持ちのまま、注文ボタンを押す。

 

ちょっと気恥ずかしかったが、感謝の気持ちを上手く言葉にして伝えられる気がしなかったので

荷造りしてくれるごいちさんに「代筆」もお願いすることにした。

※代筆をご希望の方は、注文時にヒアリングフォームにメッセージをご記入ください。

 

ーーーー数日後。

 

仕事を終えて帰宅すると、仕送りがリビングのテーブルにドーンと乗っていた。

ごいちさんから発送のお知らせメールがきていたけど、まさか父の退職当日に届くとは。

 

「ああ、届いたんだ。それ、ちょっと開けてみなよ。」

 

照れくささのあまり、漫画のように目を逸らして頭を掻きながら段ボールを指さした。



 

訳もわからず段ボールを開ける父。中身を見ても頭上に「?」が浮かんでいる。

 

「あれだよ、父の日のやつ。あと退職祝い的な。」

 

「おお、そうか」

 

父は相変わらずのノーリアクション。まあ、そんなもんか。

 

 


◎入っているもの(ごいちのおすすめポイント付)

 


・秋田杉の燻製酒粕ミックスナッツ(木能実):100g

秋田杉のチップを使用して、ナッツ・ジャイアントコーン・酒粕を燻したミックスナッツ。食べ始めるとついつい止まらなくなる味わいで、おつまみにぴったりです。

 

・瀬戸内レモン 搾り冷やし中華(なか川):2人前

夏季限定の冷やし中華。一昼夜かけてじっくり冷風乾燥させて作る中華麺と瀬戸内で採れたレモン果汁入りの贅沢な特製だれとの相性は抜群です。

 

・THE NIKKO MONKEYS PALE ALE(Nikko Brewing):330ml

二種類のホップを使用し、果実のような華やかで透き通った香りが特徴のビールです。低アルコールで飲みやすい一杯。

 

・自然酒 五人娘(寺田本家):300ml

無農薬有機米を使用し、生酛仕込みで醸した自然酒。フレッシュで爽やかな飲み口が特徴で夏にぴったりの一本です。

・酒と肴 あくびの自家製焼豚:4枚入り

Chusの姉妹店「酒と肴 あくび」の料理人が手間隙をかけて仕込んだ自家製焼豚。一口食べた瞬間、ジューシーな旨味が口いっぱいに広がります。

【美味しい食べ方】

パックの状態のまま、熱湯で約5分温めてお召し上がりください。

 ・酒と肴 あくびの自家製カレー:2人前

素材の旨みを最大限に引き出した自家製カレー。程よい辛さと奥行きのある味わいで、気づけばぺろりと一皿食べ終わってしまう魔法のルーを真空パックでお届けします。

【美味しい食べ方】

パックの状態のまま、熱湯で約10分温めてお召し上がりください。

※画像はイメージです。仕送りごとに野菜の内容が変わります

・那須のお野菜セット

那須の旬の野菜を詰め込んだお野菜セット。そのときに一番美味しい野菜をお届けします。那須の自然が育んだみずみずしい味わいをお楽しみください!


 

不器用な父と息子の思い合い

 

「準備するから一緒に飲もう。座って待ってて。」

 

母の手を借りつつ、早速あくびの焼豚を温める。

艶やかな焼豚の美味しそうな香りにたまらずかぶりつきそうになったが、グッと堪えて盛り付ける。

これを、皿に出した木能実のナッツと一緒に食卓に出す。

もちろん、一緒に届いたビールと日本酒も。

 

「おお、美味いなこれ」

 

思わず感嘆する父。そうだろうとも、なんたってあくびの焼豚なんだから。

普段は飲まない日本酒もみるみるうちに減っているところを見ると、どうやら気に入ったようだ。

 

 

「ねえ、こんなの入ってたわよ」

 

俺たちの様子をにやにや眺めながら段ボールを片付けていた母が、手紙を渡してきた。

 

(代筆してもらった手紙だ......)

 

ピンときたところで、すかさずトイレに立つ。

手紙を読まれている間、どんな顔をしていたらいいかわからないから。

 

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父ちゃんへ

 

この呼び方するの、何年ぶりだろうな(笑) 

まずは、40年お疲れ様。

5年間の再雇用も、まあほどほどに頑張ってください。

 

大人として生きる厳しさも

ひと仕事終えた後のビールの美味さも

4人の子供を養って大学まで通わせてくれたことの凄さも

今ならわかるよ。

 

ひとりの大人として、尊敬しています。

父ちゃんから見たらまだまだ子供だろうけど

背中を追いかけて生きていくよ。

 

ありがとう。

 

博紀

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居間に戻ると、手紙を読み終えたであろう父は相変わらずノーリアクション。

席に着くや否や、入れ替わるようにトイレに向かって行った。

 

「まあ、感謝の気持ちは伝わっただろ。」

 

とひとり満足して飲み続けていたが、父はいつまでたっても戻ってこない。

 

いくらなんでも遅すぎるだろ。もしかして、倒れてるんじゃないか?

胸騒ぎがして席を立とうとしたとき、何事もなかったかのようにやってきた。

見たこともないほど目を真っ赤にした父が。



「大丈夫?」

 

「酒飲みすぎて目から出てきた。」



全くこの人は、嘘をつくのが信じられないくらい下手だ。



「ありがとうな」

 

「まあ、あれだ、また飲もうな。...父ちゃん。」



そのとき、思いがけず視界が滲んだ。

 

俺も少し飲みすぎたかな。

 

 

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