"仕送り"で過ごす誕生日
健太 35歳/香織 33歳
(二人暮らし)
ある日の夜、リビングに香織の歓声が響いた。
「え~~、すごい!! これ、健ちゃんが選んだの??」
結婚して3年、香織の誕生日プレゼントをここまで喜んでもらえたのは初めてだった。
この成功の裏には、心強い味方・ごいちさんの力があった。
ーーー1週間前。
「最近、那須の野菜が届いたんだよ。やっぱりウマい野菜って全然違うんだな。」
外出自粛期間を経て久々に出社すると、会社の同僚・酒井さんが最近届いた“仕送り”について、やけに熱く語っていた。
なんでも酒井さんのお母さんが、那須の「Chus」というお店に頼んで送ってくれたものらしい。
調べてみると、それはただの「お取り寄せ」ではなく、一人ひとりの好みにあった商品をオーナーのごいちさんが選んでくれる、特別なセットだった。
「そういえば、香織の誕生日そろそろだったな......」
気付くと僕は、「注文」のボタンを押していた。
入っているもの(ごいちのおすすめポイント付き)
・瀬戸内レモン塩ラーメン(なか川):2人前・スープ付き
瀬戸内産レモンを使用した、さっぱりとした塩味のラーメン。自宅で簡単に、専門店のような本格的な味を楽しむことができます!
・澄白フレッシュモッツァレラ(あまたにチーズ工房):140g
栃木県・那須町のチーズ工房が作るモッツァレラチーズ。季節ごとの生乳の風味を感じられるのが特徴で、トマトのカプレーゼやピザをはじめ、サラダにトッピングするのがおすすめです。
・だし昆布(浦河ベテルの家)
お安くお手軽なだし用昆布。シンプルに野菜などと和えるだけでもぐっと旨みが増します。
・しらぼし梅干し(松本農園):75g
塩分 10%、1 年間地下で熟成した白干し梅干を減塩したごはんに合う梅干しです。梅肉ソースとして使用しても、しっかり梅を感じられるほど旨みが詰まった逸品!
・さしこん(大島屋蒟蒻店):230g(酢味噌付き)
厳選した「四万十川」青のりを使用した、香り高く風味豊かな蒟蒻。低温で仕込む昔ながらのバタ練り製法で作るさしみこんにゃくはアク抜き不要で、口当たりがやわらかなのが特徴です。
・Standard 米 低農薬(FARM 1739):5kg
栃木県・那須町の「FARM1739」の定番、コシヒカリ「Standard 米」。 基準値の半減以下の農薬で栽培した米は、もっちり感、甘み、ツヤの良さが魅力的。ひと粒ひと粒がしっかりしていて冷めても美味しくいただけます。
・ちりめん(無茶々園):80g
ご飯のお供といえばこちら! 漂白や添加をせず、海水でちりめんをボイルしているので、塩分控えめ。弾力があり、歯応えも抜群です。ミネラル豊富でまろやかな味を楽しめます。
・スパイシーミックスナッツ(木能実):80g
ジャイアントコーン、ローストマカダミアナッツ、ローストカシューナッツ、生クルミ、黒豆にスパイスを絡めたミックスナッツ。おつまみにぴったりです!
・醍醐のしずく(寺田本家):300ml
空中の天然乳酸と野生酵母(酒蔵では蔵付き酵母)をとり込んだ「そやし」という水をもとに仕込んだ日本酒。割り水やろ過を一切行わず、一仕込みごとに瓶詰めされているため、季節や仕込みごとに、少しずつ異なる味わいを楽しむことができます。
・にいだしぜんしゅ 原酒(仁井田本家):300ml
福島県・郡山市にある仁井田本家の人気銘柄。加水せず、精米歩合80%の低精米で作られた日本酒は、お米の甘み旨みが際立ちます。燗にするのもおすすめです(50度がべスト)。
・レモングラスオイル(レストラン サルディナス):100g
普段の料理にひとさじ加えるだけで、味に深みを加えてくれる万能オーガニックオイル。オイルを使い切っても、サラダオイルや菜種油を継ぎ足してふたたび風味豊かなオイルとして利用することができます。
・干し野菜のピクルス(柴海農園):80g
旨味が凝縮された旬の干し野菜を贅沢に使用したピクルス。無添加で素材の良さを生かし、ひと瓶ずつ手作業で製造されています。野菜ごとに違った食感や香りをお楽しみください!
・のびのび平飼い有精卵(アジア学院):10個
栃木県・那須塩原市のアジア学院でのびのびと育った鶏の有精卵。比較的薄い色の黄身が特徴です。エサは非遺伝子組換のもの (米粉・おから・米ぬか・ 魚のアラなど地域資源)を有効活用したものを使用しています。
※画像はイメージです。仕送りごとに野菜の内容が変わります
・那須のお野菜セット
那須の旬の野菜を詰め込んだお野菜セット。そのときに一番美味しい野菜をお届けします。那須の自然が育んだみずみずしい味わいをお楽しみください!
「野菜がツヤツヤしていて美味しそうだねえ。」
「わ! 日本酒が2本も入ってるよ。嬉しいなあ。」
目を輝かせながら箱いっぱいに詰まったアイテムを手に取る香織。
「3食分のレシピが入ってるから、明日試しに作ってみるよ。それも含めて、誕生日プレゼント。」
会社でも家でもパソコンにかじりついて仕事ばかりしていたけれど、明日はちょうど休みだし、日頃の感謝を込めてやってみようと思う。
大切なあなたに特別な美味しさを
【朝食】
「卵にピクルスのタルタル卵サンド、うん、うまそう」
「まずは、ゆで卵を作って......。」
似合わないエプロンをつけてレシピ片手に、キッチンに立つ。
香織はテレビを見つつも、こちらが気になって仕方ない様子だ。
潰したゆで卵に玉ねぎ、ピクルスを刻んで和える。終了!
タルタルソースってこんなに簡単にできるのか(驚愕)。
ものの15分くらいで完成してしまった。
「いただきま~す!」
ドキドキしながらサンドイッチを頬張る香織の顔を見つめていたけれど、心配は無用だったようだ。
「ピクルスの酸味がすごく良いアクセントになってね。美味しい」
よかった。とりあえず、良いスタートを切れたようだ。
【昼食】
「昼は、瀬戸内レモン塩ラーメン。これも、簡単に作れそうだな。」
なんでも、レモングラスオイルをひとさじ入れるとコクが出るらしい。
「すごい! さっぱりしてるけど、味に奥行きがある。」
この「レモングラスオイル」。
全く未知の存在だったけれど、レモングラスの爽やかさとニンニクの絶妙なコンビネーションから生まれる味わいで、肉・魚、サラダ、どんな料理も美味しくしてくれるそうだ。
ふたりの食卓
【夕食】
「今日は本当にありがとう、夜ご飯は一緒に作ろうか。」
夫婦で揃って台所に立つなんて、もしかしたら初めてかもしれない。
米を炊いて、味噌汁の出汁をとって、肉の下ごしらえをして......
香織の手際の良さに感動しつつ、こちらは邪魔にならないように洗い物を随時担当する。
「(二人で)いただきます。」
香織の作ったご飯は、やっぱりうまい。
そして、甘みたっぷりの低農薬のお米、手間暇かけて作られた梅干しなど、仕送りの食材たちが持つ“素材の美味しさ”が、さらにそのレベルを上げてくれている。
一緒に作ったご飯(戦力になっていたかは微妙だが)を、一緒に食べる。
ただそれだけのことが、こんなに幸福なことだったなんて。
【晩酌】
「乾杯。」
寺田本家と仁井田本家、無添加の自然酒の飲み比べ。贅沢な時間だ。
お酒のアテは、夕飯に準備したものをそのままスライドさせて3種類。
塩分控えめのちりめんじゃことミックスナッツのスナックに、モッツァレラチーズを散らしたさしみこんにゃく。
どれもこれも、最高に日本酒に合う。
「今日は美味しい1日だったね。」
穏やかな笑みを浮かべる香織を見て、出会った頃のことを思い出した。
とある飲み会で出会った僕たちは、「日本酒好き」という共有点から一気に仲を深めた。
当時から広告代理店の営業として活躍していた彼女の太陽のような笑顔が、信じられないほど眩しく見えたことをよく覚えている。
それからずっと、香織は僕の心を照らしてくれていた。
不器用な自分の力だけでは、こんなに温かなひとときを過ごすことはできなかっただろう。
ごいちさんの心のこもった仕送りに感謝しながら、一口ひと口、日本酒の味を噛み締める。
「来月の健ちゃんの誕生日も、その次の結婚記念日も、こんなふうに1日を過ごしたいね。」
次の日、僕は“仕送りを毎月送るコース“の「注文」ボタンを押した。
本文中にある調味料のレシピ

梅酢だれ(鶏肉のソテーに使用しています)
【材料】1人分
梅干し |
2個
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みょうが |
1個
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しょうゆ |
大さじ1
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みりん
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大さじ1 |
米酢 | 大さじ1 |
はちみつ |
大さじ1/2
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【つくりかた】
- 梅干しの種をとり、果肉を包丁で叩く。
- みょうがをみじん切りにする。
- ボウルに全て入れて混ぜ合わせる。
「ごいちの仕送り」商品はこちら
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